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Internet Media Awards 2023 : 記者の目:露メディアの改ざん疑惑 ネット情報、透明化せよ・連載 オシント新時代~荒れる情報の海の一連の報道

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アクション・フォー・トラスト部門

メディアやコンテンツの信頼を築くための静的・動的な活動

記者の目:露メディアの改ざん疑惑 ネット情報、透明化せよ・連載 オシント新時代~荒れる情報の海の一連の報道

具体的な事実をもってオシントの重要さを打ち出した一連の記事

受賞コメント

木許はるみ(きもと・はるみ)毎日新聞社

毎日新聞社 木許はるみ

素晴らしい賞をいただき、身に余る光栄です。連載の取材班は、外信部の八田浩輔記者を中心に集まり、公開情報を用いた分析手法「オシント」(オープンソース・インテリジェンス)をテーマに社会への影響を掘り下げました。「記者の目」には取材時の葛藤を込めました。公開情報ならではの検証の壁を経験したからです。
連載から約1カ月、ロシアのウクライナ侵攻が起きました。戦況や偽情報の調査や発信でオシントが利用され、その役割を改めて垣間見、恐ろしさと可能性を感じました。
公開情報の重要性が増す中、情報にどう向き合うかを模索し続けたいと思います。企画に協力いただいたすべての方に感謝します。

木許はるみ(きもと・はるみ)毎日新聞社
中日新聞、Business Insider Japan、じゃかるた新聞を経て、2020年に毎日新聞社に入社。デジタル報道センターの後、水戸支局に配属。共著に『オシント新時代 ルポ・情報戦争』。

選考委員より

エントリーはロシアメディアによる日本のコメント欄の改ざん疑惑を指摘したコラム記事だった。だが、その土台には、2022年新年に連載した「オシント新時代 荒れる情報の海」という一連の記事があった。テーマはオシント(公開情報)。政治、社会、外交で重要になるオシントに着目、掘り下げて取材していた。中国政府の企業への関与を明らかにし、個人情報を割り出す「特定班」の手法や動機に迫り、公安調査庁がインテリジェンス活動でも強化した様子を報じた。一連の報道は、本部門の趣旨に極めて高く一致していたように思う。理屈を述べるより、具体的な事実をもってオシントの重要さを打ち出した一連の記事は報道の意義をあらためて示した。(森建)