シリーズ : ニュース : メディアリテラシー

親子メディアリテラシー講座「『情報の森』を冒険するために」開催レポート

投稿日:

9月19日、JIMAが協力した、親子メディアリテラシー講座「『情報の森』を冒険するために」が、横浜にある情報・新聞の体験型ミュージアム・ニュースパーク(日本新聞博物館)で開催されました。講師はJIMAリテラシー部会のメンバーで、令和メディア研究所主宰の下村健一さんが務めました。

台風が来ていた当日、一時は開催自体が危ぶまれましたが、当日は会場5組、オンライン11組の親子などが参加してくださいました。

博物館の展示と講演を融合させた、新しい形のメディアリテラシー講座。当日の様子をレポートします。(事務局)

「情報の森」を実際に探検!

真偽ないまぜのさまざまな情報があふれる現代社会。情報の1つ1つを木だとしたら、情報がたくさんある様子は、まるで「情報の森」。そんな「情報の森」には、自分にとって大切な役に立つ情報もあれば、ピンチにおとしいれるニセ情報もあります。この森を迷わず冒険するために必要なものを親子で学ぼう、というのが今回のこの講座。

まずは、実際に「情報の森」がどうやって作られてきたのか、を知るための冒険から始まります。新聞博物館の尾高館長がナビゲーターとなり、参加者の皆さんは、新聞博物館の展示を回ります。

新聞の歴史、戦時中の情報統制などの展示物を見ながら、尾高館長がわかりやすく解説。

情報がどうやって私たちの手元に届いてきたのか、を学んだ後にやってきたのは「情報のタイムトンネル」!ここで、本日の講師・下村先生にナビゲーターがバトンタッチ。

インターネットの登場によって、情報量がこれまでの数百年をはるかに追い越すものになったことを視覚的に感じることができ、参加者からは「えええーー」という驚きの声が漏れていました。

その後、デマ情報についての展示を見た後、講座室に戻り、さあ、今度は下村先生の講演のスタートです!

「そうかな」チェックと4賢者の教えで、デマ情報を撃退!

ここからは、怪しい情報に出会った時や不確かな情報に出会った時に、どうやって対処したらいいの?というチェックのコツを下村先生が解説していきます。

まずは、人類の情報伝達の歴史から話はスタート。

ホモ・サピエンスの歴史(30万年)を1年にたとえると、言葉を獲得したのは、なんと8月末頃。SNSに至っては、大晦日の夜11時半すぎの出来事。これには、参加者もびっくりです!!

では、言葉ができる前や文字ができる前は、どうやってコミュニケーションをとっていたんでしょう?

「明日のイベントに一緒に行こうって、どうやって伝えたかな?」という下村さんの問いかけに、参加した子どもたちは「こうじゃない?」と、ジェスチャーを見せてくれたり、想像を巡らせながら「これじゃあ、伝わらないなー」と、言葉のないコミュニケーションの難しさを実感していました。

そこから話は「情報の森」について、へと深まっていきます。

情報量が増える中、便利になる一方で、怪しい情報も一緒に増えていきます。では、その情報にどう対処したらいいのでしょうか?

下村さんからは、デマに効く「ソウカナ」チェックと一緒に“4賢者”からの「冒険の手引き」をレクチャー。情報の森に向かって冒険を始めたばかりの子どもたちに、森で迷わないためのヒントを伝えました。

※4賢者とは、新聞博物館の「情報の森」を監修した4人のメディアリテラシー教育に取り組む先生方のこと。クエスト系のゲームキャラクターの設定です。

3時間にわたる講座でしたが、参加した子供達からは「面白くて、あっという間だった」「世の中にはたくさんの情報があるので、今日学んだことを生かしていきたい」と、大満足の声をいただきました。

また、保護者からも「子どもが、楽しそうに聞いていて来てよかった。途中からは、自分が引き込まれて聞いてしまいました。大人でも、デマって見分けるのは難しいですよね」という声が。

読売新聞・電通総研の実施した「ニュースの読み方」調査によると、家族や先生とニュースについて話す子どもほど、情報源について確認する傾向が高かったそう。

今回の講座をきっかけに、参加してくださった親子の方々の間で、ニュースに限らず、さまざまな情報について対話をしていっていただけたら、と思います。

JIMAでは、これからも、親子、子ども、大人ーーーさまざまな対象に対して、メディアリテラシーを伝える取り組みを行っていきます。

(文責・事務局)