感情や本人性を伝え、ファンを獲得する。魅力的な音声メディアをつくるには?ー「音声メディアの最前線」開催レポート
2022年2月24日、JIMAオンラインセミナー「音声メディアの最前線」が開催されました。以下に今回のセミナーで行われたパネルディスカッションの概要とアーカイブ動画を掲載いたします。JIMA会員であればアーカイブ動画をご覧いただけますのでぜひご視聴ください。
#1 パネルディスカッション:Voicy × MarkeZine
<スピーカー>
長谷部 祐樹/株式会社Voicy
蓼沼 阿由子/株式会社翔泳社
<モデレーター>
押久保 剛/株式会社翔泳社
「情報は3次元。感情や本人性を伝えるのが音声の特徴」|14:50
音声メディアの特徴として、「ながら聞きができるため、様々なライフスタイルにフィットしやすい」とあげた上で、「3次元の情報が伝えられることが大きい」と長谷部氏。
「X軸は伝えたい基本情報(例:今日は雨)、Y軸は周辺情報(例:シトシト降っている)。さらにZ軸、感情や本人性を伝えられるのが音声の特徴です。その情報について話している人が、嬉しそうか、残念そうか。基本情報や周辺情報に合わせて、本人性や感情が伝わることで、聞き手側の情報の受け取り方が変化します」(長谷部氏)
パーソナリティーとリスナーの関係性をつくる|39:44
MarkeZine編集部が配信している音声コンテンツ「耳から学ぶマーケティング」の運営を担当する蓼沼氏が、これまでリスナーから届いたコメントを紹介。コンテンツやチャンネルへの感想だけでなく、パーソナリティーに向けたメッセージが多く寄せられている、という。同社の押久保氏も音声コンテンツによる、メディア全体への影響について話す。
「音声コンテンツは、声を届けることで聞き手との接点をつくることができています。メディアのブランドづくりも大切ですが、その礎になるのが個々のメンバーの活動。パーソナリティーをする編集者個人にファンがつくことで、メディアも相対的に強くなっていくなと感じています」(押久保氏)
KPIの設定について|47:47
長谷部氏より、KPIを設定する際の3つのポイントについて説明がされた後、蓼沼氏は特に「立ち上げ期の設定の仕方が重要」と話す。
「音声メディアを始めたばかりの時期は、何の数字を追いかけ、成果として社内に報告するかとても悩みました。そんな中で運営をサポートしてくれるVoicyの『パーソナリティーサクセス』メンバーの方から励ましのコメントや技術的なアドバイスをいただき、ありがたかったです。評価が判断しづらい立ち上げ期は、社内外でコンテンツを聞いてくださっている方からのコメントもとても励みになりました」(蓼沼氏)
#2 パネルディスカッション:ニッポン放送 × TBSラジオ
<スピーカー>
石井 玄/株式会社ニッポン放送 エンターテインメント開発部 プロデューサー
橋本 吉史/TBSラジオ・プロデューサー
<モデレーター>
古田 大輔/ジャーナリスト・メディアコラボ代表
魅力的な音声メディアとは?|1:00:42
魅力的な音声メディアとは何か。古田氏からの質問に、橋本氏と石井氏があげたのは人間性。第一部で話された「Z軸」を用いながら、それぞれの考え方が話し合われた。
「パーソナリティーを選ぶときは、その人が正直にマイクの前に向き合うことができるかどうかで判断をします。どれだけ本音で喋れるか。例えばその人が『雨が降っている』という話をした時に、『雨が降ってテンションが下がっているんですよ』ということまで話してくれるとラジオらしいトークになる。単なる天気の話ではなくなるのがいいなと思っています」(橋本氏)
ラジオとの違い|1:14:50
続いて話されたのは、ラジオとラジオ以外の音声メディアの違いについて。あげられたのは、ラジオはその番組を聞こうとしていない人にも届く機会があるが、その他の音声メディアはほとんどがその番組を聞こうとする人がリスナーになっていること。受け手の違いによって、配信内容も変化するという。
「ラジオは幅広い人が聞くので、その番組についての説明を多くしますが、ポッドキャストなどの音声メディアはその番組を聞きに来ている人がほとんどなので、パーソナリティーの声が判別できれば詳細の説明をする必要はありません。その番組に興味がある人が聞いているので、明らかに話す内容の深さが変わって、より過激で面白い番組をつくることができます」(石井氏)
これから音声メディアを始める時に意識することは?|1:40:15
これから音声メディアをつくる時に、その担当者はどんなことを意識できるといいか。橋本氏と石井氏は「喋るのが好きな人が続けることが大切」と話す。
「喋りたいという欲を持っている人が、コンテンツをつくるのがいいと思います。その人が楽しいと感じていることはリスナーにもそのまま伝わるので。まずはひとつコンテンツをつくってみて、その作業を続けられるかどうかぜひ試してみてください」(石井氏)
「なるべく配信する内容を編集しないという感覚も大切です。言いよどんでいたり、言い間違えたりしているのを残したほうが面白い。流暢に話せることと、伝わる話ができることは違うので、応援したくなるコンテンツにすることが重要です」(橋本氏)
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(文責:JIMA事務局)
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