IMA2022:ため池に落ちると、なぜ命を落とすのか
選考委員特別賞
選考委員が特筆すべきとした作品
ため池に落ちると、なぜ命を落とすのか
様々な状況を再現することで、ため池の危険性や事故対応を紹介
https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20210510-00237132【受賞者】 水難学会会長 長岡技術科学大学 教授 斎藤秀俊
受賞コメント
受賞者プロフィール
水難事故、偽装事件、業過事件の解析実績多数。人類誕生以来600万年にも及び、祖先は水難という不幸と闘ってきました。そのような経験が我々の遺伝子の中に「水難は神の領域」として諦め感を植え付けたかもしれません。しかし今や人類の叡智を総合し、水難学は工学、医学、教育学、宗教学、語学、気象学等の学際領域に育ちました。結果、水難からの生還例が徐々に増え、偽装事件の着手が可能となりました。記事やコメントでは風呂から海まで水や雪氷にまつわる事故・事件、津波大雨災害、船舶事故に関する話題を実験·現場第一主義に徹し提供していきます。選考委員より
2021年に香川県丸亀市のため池で釣りに来ていた小学1年生の男の子と33歳の父親の2人が死亡するという悲しい事故がおきました。なぜ、ため池に落ちると、子供だけでなく大人まで命を落としてしまうのか。なぜ、こうした事故は繰り返されるのか。それを防ぐためにどう対処すればいいのか。今回の作品は実際にさまざまな状況を再現することで、ため池の危険さ、そして事故のときにどう対応すべきかを、動画でわかりやすく伝え話題になりました。お金をかけるだけではなく、知恵と情熱を注ぎ込むことで社会にインパクトをもたらすコンテンツが作れる、ネットの意義を示した事例としてアワードとして顕彰します。(瀬尾 傑)
「ため池に落ちると、なぜ命を落とすのか」は、昨年5月9日に発生した香川県で父子が亡くなるという痛ましい事故を受けてその翌日にYahoo!ニュース個人に公開した記事です。波も流れもない一見すると危険性を感じることのできないため池において、なぜ遠い過去から水難事故が繰り返されてきたのか、記事では実験動画を組み合わせて解説しました。多くの読者の潜在意識にあった疑問に答えることができたようで、大きな反響をもって受け入れていただきました。この作品がインターネットメディアの質的向上ならびに認知獲得に貢献したと認められたことに感謝いたします。